遺言を残すこととは
遺言を残す時に、映画やドラマでは映像を使って想いを残している場面をよく見かけます。
プリズンブレイクでも主人公のマイケル・スコフィールドがビデオに遺言を残していました。
プリズンブレイクでも主人公のマイケル・スコフィールドがビデオに遺言を残していました。
遺言を残すこととはどのようなことを指すのでしょうか。
- 想いを残すこと
- 亡くなった後に気づいて欲しいことを記録しておくこと
- 財産の分け方を記すこと
- 遺書を残すこと
- 遺言書を残すこと
- 亡くなる前に書いた手紙
これらすべて「遺言を残す」という意味では合っています。
しかし、遺言書を残して「財産の渡し方」や「財産の受け取る相手」などを指定したい場合には、法律の要件に合った方法を取る必要があります。
法律的には?
(自筆証書遺言)第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
(公正証書遺言)第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。一 証人二人以上の立会いがあること。二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
現在の日本では、
①自筆証書遺言
②公正証書遺言
の二つの方法で遺言を残す方法が民法という法律に規定されています。(秘密証書遺言は割愛)
①自筆証書遺言は民法968条の中で「全部の文章を自分で書くこと」とルールを定めています。
また、
②公正証書遺言は民法969条の中で「公証人という人が書きなさい」とルールを定めています。
つまり、
- 他の人に代筆をしてもらったり
- パソコンで遺言書を作ったり
- 映像で残すことなど
は認められていません。
実務的には?
やはりyoutubeで遺言を残すことは法律で認められていない以上、有効な方法とはなりません。
ただし、法律的に有効ではないことを分かっていながら映像を残すことは可能です。
以下のような場合に有効です。
- 自筆証書遺言で本当に本人が書いたのかの証明ができるように、遺言書を作成している様子を撮影する
- 遺言書に書いた想いと同じ内容を映像でも残す場合
もちろん、映像も見えにくい場合や内容がわかりにくい場合はトラブルのもとになってしまいます。
映像に残す場合は
- お名前(遺言と同じ本名)
- 作成をした日付
を入れて誤解を与えないように作成をすることが大切です。
今後、youtubeや映像で遺言を残す日が来るかもしれません。
結論として現状はyoutubeで遺言を残すことはできません。
また、映像で遺言を残すことはできません。
ただし、想いを残すことはできます。
法律上の「遺言を残すこと」とは、想いを残すことや文章を作成することに加えて、遺言の内容を実現することが目的となります。
士業などの専門家をうまく活用し、相談をしてみてください