危険物についての通知義務に関する改正
従来 | 改正後 | |
規定 | 特になし | 荷物が「引火性、爆発性、その他危険性を有するもの」にあたる場合は、荷主(荷送人)は運送会社に対して危険物に関する通知をしなければなりません。 |
注意点 | 危険物に関するをしなかったことで事故が発生した場合は、荷主(荷送人)が運送会社に対する損害賠償責任を負うことになります。 |
運送会社としては、事前に荷主の方へ「危険物の輸送」の際には、取り扱い方や輸送方法を取り決めた上で事前に通知してもうことで未然にトラブルを防ぐことができます。
(危険物に関する通知義務)第五百七十二条 荷送人は、運送品が引火性、爆発性その他の危険性を有するものであるときは、その引渡しの前に、運送人に対し、その旨及び当該運送品の品名、性質その他の当該運送品の安全な運送に必要な情報を通知しなければならない。
運送会社の荷物への責任期間が1年に短縮!
従来 | 改正後 | |
規定 | 運送会社が荷物の損傷を知っていた場合の「運送会社の責任」は消滅時効が1年 運送会社が荷物の損傷を知らなかった場合の「運送会社の責任」は消滅時効が5年 | 荷物が損傷していた場合の責任は1年で消滅する ※消滅時効ではなく除斥期間なので消滅時効のように時効が止まることがなく、1律1年で消滅します |
注意点 | 膨大な量の荷物を取り扱う運送会社のリスク管理の面から改正されています。 荷物を受け取った「納品先のお客様」が運送会社に対して損害賠償請求するときは荷物を受け取ってから1年以内にしなければなりません。 運送会社としても納品日が明確となる証明書を保存しておくことを要します。 |
(運送人の責任の消滅)第五百八十四条 運送品の損傷又は一部滅失についての運送人の責任は、荷受人が異議をとどめないで運送品を受け取ったときは、消滅する。ただし、運送品に直ちに発見することができない損傷又は一部滅失があった場合において、荷受人が引渡しの日から二週間以内に運送人に対してその旨の通知を発したときは、この限りでない。2 前項の規定は、運送品の引渡しの当時、運送人がその運送品に損傷又は一部滅失があることを知っていたときは、適用しない。3 運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、荷受人が第一項ただし書の期間内に運送人に対して同項ただし書の通知を発したときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項ただし書の期間は、運送人が当該通知を受けた日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。
第五百八十五条 運送品の滅失等についての運送人の責任は、運送品の引渡しがされた日(運送品の全部滅失の場合にあっては、その引渡しがされるべき日)から一年以内に裁判上の請求がされないときは、消滅する。2 前項の期間は、運送品の滅失等による損害が発生した後に限り、合意により、延長することができる。3 運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、運送人が第一項の期間内に損害を賠償し又は裁判上の請求をされたときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項の期間は、運送人が損害を賠償し又は裁判上の請求をされた日から三箇月を経過する日まで延長されたものとみなす。
旅客運送会社の免責特約の効力に関する規定
従来 | 改正後 | |
規定 | なし | 旅客の生命・身体の侵害についての運送人の責任を減免する特約は無効 とする旨の規定を新設されました。 ※災害地への運送など,運送事業者に運送引受義務がないときは,免責特約も可能となっています |
注意点 | 生命・身体が損なわれた場合の運送事業者の損害賠償を軽減したり、免除するような特約が原則とし無効となります。 |
(特約禁止)第五百九十一条 旅客の生命又は身体の侵害による運送人の損害賠償の責任(運送の遅延を主たる原因とするものを除く。)を免除し、又は軽減する特約は、無効とする。2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。一 大規模な火災、震災その他の災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において運送を行うとき。二 運送に伴い通常生ずる振動その他の事情により生命又は身体に重大な危険が及ぶおそれがある者の運送を行うとき。
これらは明治時代に制定された商法を改正し、施行されました。
「危険物の通知義務」などは任意規定として商法と異なる契約内容を作成することが可能となっています。
契約書の書面化や運送約款の改訂とともにこれら商法の改正内容も確認をしておきましょう。
適正化の巡回指導対策
元運送会社の管理職を経験しておりますので、巡回指導のポイントや日々の運行管理方法まで、丁寧にご説明いたします。 運送会社のことで分からないことは木村行政書士事務所へご相談ください。