運送業の巡回指導のポイント / 指導監督指針が改正されました

運送業の巡回指導のポイント2

運転手さんへ適切な教育をするようにしてください(指導・監督指針が変わりました)

運送会社では、運転手の皆さんに事故なく安全に運転をしてもらうために教育指導を必ずおこなう必要があります。

ほとんどの運送会社では「年間計画」を立てて、国土交通省から指針の出ている11項目の指導内容を月1回の「安全ミーティング」などを実施しておこなっていることだと思います。

そしてこの指導内容を繰り返し実施することでPDCAサイクルを回し、会社の安全風土の形成を図っていきます。

改正点①

この11項目が平成29年3月から12項目に増えました。

またそれぞれの項目の内容も追加され、より教育に力を入れることが必要とされます。

管理者の方は12項目の指導した内容を記録し、3年間保管をすることが必要となります。

 

項目各項目に追加された内容(概要)
トラックを運転する場合の心構え交通事故統計を活用し事故の影響の大きさを理解させる
トラックの運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
・日常点検と運転姿勢の重要性
・事故の影響を説明
・規定を守ることの重要性を理解させる
トラックの構造上の特性
・トレーラのコンテナロックの重要性
貨物の正しい積載方法
・軸重規制の遵守
過積載の危険性
・過積載の処分内容
危険物を運搬する場合に留意すべき事項
・危険物の運搬前確認について
・タンクローリーでの運搬の注意点
適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
改正なし
危険の予測及び回避並びに緊急時における対処方法
・指差し確認等の習慣付け
・雪道運転
・緊急時の対応方法
運転者の運転適性に応じた安全運転
・適性診断結果により特性を自覚させる
10交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因及びこれらへの対処方法
・過労や服薬による眠気を理解させる
11健康管理の重要性
・精神面の健康管理の重要性
12安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法
・事業用自動車の適切な運転方法を理解させる

 

特に初任運転者への指導が厳しくなりました
入社したばかりの運転手、65歳以上の運転手、事故が多い運転手には適性診断が義務付けられており社内教育も必要とされていますが、今回の改正では特に入社したばかりの運転手「初任運転者」に対してきちんとした指導をすることが求められています。
義務とされているため、必ずおこなわなければなりません。
新入社員が入社した場合には「適性診断受診」「社内教育実施」「運転記録取得」をおこない、これらの記録を必ず残しておくようにしておきましょう。
初任運転者に対する教育内容解説
上記12項目全てを指導12項目は何度も行なう必要があるため、入社時に全ての項目を一度指導しなければなりません
座学教育15時間以前の6時間から大幅に増えました
運転実技20時間実際にトラックを運転させる指導項目が新設されました
2年に1度来る巡回指導に向けて
適正化の巡回指導は各都道府県トラック協会の会員・非会員を問わず全ての運送会社に対しておこなわれます。
日々の実務の中で少しずつ取り入れていき、安全風土の形成と証拠書類の確保を積み重ねいくことが大切です。