会社を大急ぎで設立したい場合

会社を大急ぎで設立したい場合

会社を大急ぎで設立したいとご連絡をいただくお客様は多いです。

急いでいる理由としては

・「設立日」をすでに決めている

・やりたい事業の「許認可のため」にまず先に会社を設立しなければ進まない

・創立メンバー内で話が進まなかったために相談した

などがありますが、基本的に会社を設立したいと考えている場合で時間的に余裕があるケースはあまりありません。

「すでに事業をやっているが別会社を設立したい」というケースではお客様がゆっくりと進めたい場合があるかもしれませんが、会社設立は目的ではなく事業をしていくためのあくまで「手段」であるので、熟考は大事ですがあまり時間をかけ過ぎることも良くありません。

1、いち早く決断する

事業主は決断の連続です。

まずは「やる」「やらない」や「このようにする」を決断しましょう。

会社設立の場合で悩まれるのは、

・会社名

・事業の目的

・役員の構成

などが代表ですが、特に「会社名」は決めておくと良いでしょう。

会社名を決めておくことで印鑑の発注がスムーズにおこなえます。

この印鑑には多くの種類があります。サイズや材質、デザインなどがありこれらをいち早く決断していくことも会社設立を早く進めるひとつとなります。

会社名は「商号」と呼ばれますが、いくつもの候補の中から一番良いと思える商号に決断してください。

会社設立は会社名以外の決めなければならない事項も多く存在します。

専門家に設立を依頼する場合も、専門家からのアドバイスをもとにご自身で「決断」していくことが大切になります。

2、事前準備をしておく

会社設立をする場合は事前準備をしておくことで、設立までの時間が大きく変わります。

  1.  印鑑証明書
  2.  設立予定の会社の印鑑
  3.  現金
  4.  賃貸人(大家さん)の許可
  5.  研修や事前講習

1.印鑑証明書

まず「印鑑証明書」ですが株式会社の場合では出資をする(お金を出す)人が決まっている場合は、その人の「個人の印鑑証明書」が必要になります。

いまはマイナンバーカードがあればコンビニで取得できますが、自治体によっては利用できない地域もあります。

あまりに早い段階で用意をしているとその印鑑証明書は使えませんが、設立予定日の3ヶ月前までの印鑑証明書を用意をできるように取得方法を確認をしておきましょう。

2.設立予定の会社の印鑑

次に「印鑑」ですが、会社を設立する場合には「会社の代表印」が必要になります。

印鑑は「どの業者に頼むのか」「どのデザインにするのか」などをいち早く決断することが大切です。

好みの印鑑をお考えの場合は早めに相談することなどを検討し、用意する方法を確認しておきましょう。

3.現金

現金は設立する「会社の資本金」の分と「会社設立にかかる費用(30万円程度)」を用意できるようにしておく必要があります。

現在、株式会社は1円からでも設立することが出来ますが、実際に1円で設立することがおすすめ出来ません。

すぐに赤字会社となってしまうからです。

長い目で見て融資などを受けることが未定だとしても、まとまった金額を資本金とする方が今後の事業展開としてはやりやすくなるでしょう。

実際に設備投資などがかからない業種であれば、資本金を10万円や30万円とする場合もありますが、迷ってしまう場合には300万円を目安にすると良いでしょう。

以前の有限会社の最低資本金が300万円だったこともあり、銀行や他業種からも信用のある会社と認識されるようになります。

現金は最初の設立の時に振込(預入)をして実際に存在することを証明する必要があります。

資本金分と設立にかかる費用(30万円程度)の調達方法を確認しておきましょう。

4.賃貸人(大家さん)の許可

思わぬ時間を費やす部分は「大家さんの許可」がなかなか取れない場合があります。

ケースとしては、

・物件を事務所としては使って良いが、登記は許可されない

・大家さんと連絡が取りづらい

・居住用で賃貸したため借り替えなければならない

などがあります。

どうみても大丈夫だと思っていても許可されない場合があるため必ず確認が必要です。

また、ある事業のために会社を設立した場合に、会社設立後に「この事業内容では物件は貸せない」となるケースがあります。

事業によっては「更新が2年以上の契約か」「自動更新になっているか」などを厳しく確認する許認可も存在します。

「なんの事業のためにこの物件を借りるのか」を明確にし、大家さんに確認を取れるようにしておきましょう。

5.研修や事前講習

会社を設立するためには、直接的には研修や事前講習は必要ありません。

したがってこちらは実務的な部分となりますが、これからやりたい事業が明確な場合はその事業の開業にあたり研修が必要ではないか確認しておくことが大切です。

会社を設立しても営業できなければ意味がありません。

事業によっては研修場所や時期が限定されているものもあるため、会社設立前に開業に必要な研修などを受講しておくことでスムーズに営業開始まで進めるようになります。

3、専門家に頼む場合は急いでいることを伝える

当たり前のように聞こえますが、専門家には急いでいることを伝えることで事務スピードを上げてくれます。

会社設立の際に専門家に依頼する場合は急いでいる理由とともに設立希望日を伝えておくと良いでしょう。

会社設立日は法務局に登記を申請した日(提出日)です。ただし、設立が完了するのは申請した日から概ね10日〜2週間前後が経過した日です。

また、ご自身で定款認証・登記申請を行なう場合にはそれぞれの窓口担当に急いでいる旨を伝えましょう。

定款認証は公証役場で行ないますが、公証役場は空いている役場と忙しい役場が存在し、その事務スピードが大きく変わります。

公証役場によっては公証人からの電話で、「急いでいますか?」と聞いてくれる場合もあります。

法務局では提出の際に、申請書に付箋などを付けて急いでいる旨を伝えることも有効です。

4、実際に最短で何日で会社設立が出来るか?

実際にお客様と連携が上手く取れたケースでは、株式会社設立の場合で最初の面談から5営業日で申請日(会社設立日)を迎えたことはありますが、現実的には2週間程度はあった方が良いです。

また、申請日(会社設立日)から登記完了日までは2週間程度かかる場合がありますが法務局の対応がとても早く、申請日から3営業日で登記が完了したケースもありました。

実際には株式会社の会社設立を1日で終わらせることは不可能です。

会社設立には以下のような手順を踏む必要があります。

公証役場に定款内容の事前確認を必ず行ない、後日予約を取ってから役場へ行って定款の認証を行ないます。

また、書類作成や各役員の押印のタイミングも計算に入れなければなりません。

これらの業務を考慮した上で「会社設立日」と申請後の「登記完了日」を見越して事前準備をすることをお勧めします。