小規模事業者補助金の公募が2020年3月10日から開始され、申請受付開始は2020年3月13日となりました。
名前が分かりづらいですが、「令和元年度補正予算」の分は「2020年3月」からスタートします。
小規模事業者補助金とは
小規模事業者補助金は、
- 「販路開拓等の取り組み」
- 「販路開拓等とあわせて行なう業務効率化」
のいずれかに該当するようなことを行いたい場合に、その取り組みにかかる経費の補助をしてくれるものになります。
特徴としては、小規模な会社や個人事業主向けの補助金事業であり、創業後すぐの場合でも申請をすることが出来るものです。
金額は50万円を上限に、かかった経費の補助率2/3の金額を補助金として受給が受けられます。
例えば、今回申請した補助事業で経費が90万円かかった場合には、2/3の額では60万円ですが上限が50万円なので、50万円の補助を受けることになります。(例外あり)
2020年からの小規模事業者補助金について
例年と大きく違う点としては1年に4回の申請のタイミングがあり、通年公募となりました。
これは今まで年度の初めの方に偏っていた投資資金を計画的に配分できるため、事業者としても嬉しいところです。
ただし一度、不採択になった場合は約1年間は申請は出来ないので場当たり的な申請は注意が必要です。
加点要素なども多少の変更がありました。
コロナウイルスによる影響なども反映がされるようになります。(要確認)
加点対象と減点対象
小規模事業者補助金はコンペ方式と呼ばれる、より内容の優れた補助事業に対して採択されるようになっています。
加点されることにより申請書内容にプラスした評価をされるため、採択がされやすくなります。
・加点対象
項目 | 必要書類等 |
役員・従業員のコロナウイルスの罹患 | ・診断書の写し ・労働者名簿 |
コロナの影響で前年同月比10%以上の売上減少 | ・売上減少証明書(地方自治体発行) |
補助事業後の1年間で給与総支給額を1.5%(1.1%)増加予定 | ・従業員への表明文書 |
補助事業後の1年間で事業内最低賃金を地域の最低賃金プラス30円以上に増加予定 | ・従業員への表明文書 |
代表者が60歳以上 かつ 後継者候補が補助事業を中心に行なうこと | ・事業承継診断票 ・年齢確認のできる書類 ・後継者候補の実在確認書類 |
経営力向上計画の認定を受けていること | ・認定書 |
地域未来牽引企業等であること | 経産省選定の地域未来牽引企業 地域未来促進法の地域経済牽引事業計画の承認 |
・減点対象
項目 | 必要書類等 |
過去3年で同じ補助金の交付を受けた場合 (平成28年度第2次補正予算の【追加公募】以降) | ・過去に提出した実績報告書 |
反対に、減点されることにより申請書内容からマイナスされた評価とはなりますが、不採択が決定するものではありません。
3年連続採択されている事業者もあるため、減点されることを前提に申請するということになります。
補助金申請をできる事業者の要件
個人事業主であっても申請が出来ます。開業届を税務署に出していることを確認してください。
創業間もない場合でも利用できる補助金のため、創業後すぐに販路開拓方法などを計画し、すぐに実行するにはとても良い補助金なのではないでしょうか。
個人事業主や法人の場合でも従業員を雇っている場合は常勤社員の人数により、「小規模」な事業者としての要件を満たしているかを確認をしていきます。
業種 | 内容 | 常勤社員の人数 |
商業・サービス業 | ・他者から仕入れた商品を販売する(=他者が生産したモノに付加価値をつけることなく、そのまま販売する)事業 ・在庫性・代替性のない価値(=個人の技能をその場で提供する等の流通性がない価値)を提供する事業 ※自身で生産、捕獲・採取した農水産物を販売するのは「商業・サービス業」ではなく「製造業その他」に分類 | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | ・宿泊を提供する事業(また、その場所で飲食・催事等のサービスを併せて提供する事業も含む) ・映画、演劇その他の興行および娯楽を提供する事業、ならびにこれに附帯するサービスを提供する事業 | 20人以下 |
製造業 | ・自者で流通性のあるモノを生産する事業 ・他者が生産したモノに加工を施したりするなどして、更なる価値を付与する事業(ソフトウェアを生産する事業)(在庫性のある商品を製造する事業) | 20人以下 |
その他 | ・定義に当てはめることが難しい事業や、区分が異なる複数の事業を営んでいるなど判断が難しい事業 (建設業、運送業等) | 20人以下 |
また、業種以外にも法人形態などにより営利性の無い団体は補助対象となりません。
補助対象となりうる | 補助対象とならない |
・株式会社 ・合同会社 ・有限会社 ・個人事業主 | ・医師 ・学校 ・一般社団法人 ・農業組合 ・未開業の場合 |
小規模事業者補助金の「注意点」
・補助金の受給が後払いなこと
補助金の採択が決定した場合でも一度ご自身で経費を支払う必要があります。
受給されるまでは全額自腹で支払っておかなければならないので、その分の資金を確保しておく必要があります。
・補助事業終了後に報告書を提出しなければならないこと
実際にかかった経費や販路開拓を実践した結果などを報告書としてまとめなければなりません。
また、関係する証拠書類(見積書、請求書、領収書など)を確保しておき、報告書と一緒に提出をする必要があります。
この報告書の提出が出来ないために、せっかく採択がされても補助金をもらえないという事業者が多くいらっしゃいます。
報告書の作成は手間にもなりますが、確実な提出が必要です。
また、この報告書などの関係書類は5年間の保存をしなければなりません。
・申請した内容を後で変更する場合に事前承認が必要なこと
申請した時と状況が変わっているケースはよくあります。
・申請時よりも高性能なものが販売されたので変更したい
・もう少し安いものに変更したい
このような場合には「事前」に「承認」をしてもらわなければ、補助の対象になりません。
この変更を事前承認を得ずにやってしまうと、その分は補助金の対象となりません。
申請の時点から変更のないようにしっかりと事前に見積りをすることが大切です。
変更をする可能性がある場合には事前確認が必要なことを覚えておきましょう。
・時間に追われてしまうこと
・申請書の作成が申請期限に間に合わない
・補助事業の締切期限までに支払いが済んでいない
・補助事業の締切期限までに納品がされない
・報告書の作成が提出期限に間に合わない
・サプライヤーさん(納品業者)から書類や製品が来ない
・サプライヤーさん(納品業者)と打ち合わせをする時間がない
これらの期限に対する時間の確保が必要となります。
この現代に時間に追われていない事業者さんはいないと思います。
ただ、どうしても「補助事業」に対する時間はかかってしまいます。
書類の作成は外注が出来ますが、打ち合わせや販路開拓の実施などは自社で行わなければなりません。
法人様の場合には補助金事業の担当者を決めて実施することが必ず必要となります。
当事務所の支援内容
理由としましては、ご来社いただくことによる当方の経費削減と販路拡大を検討中のお客様の事業展開への挑戦を純粋にご支援したいという思いからです。
また、先着順で先にご依頼を頂いたお客様は申請期限にも余裕があるため、事前に準備や調査をすることができるようになり採択の可能性が高まります。
当事務所では2019年の「小規模事業者補助金」「神奈川県小規模事業者支援推進事業費補助金」と採択実績がございますが、当補助金は小規模事業者に向けた最良の補助金だと実感しています。
事業計画や会社概要を作成する上で自社の強みや弱みを発見する機会にもなり、申請自体がメリットになると思います。
当事務所へご依頼いただかない場合でも、是非ご自身で申請を検討されることをおすすめ致します。