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標準的な運賃が令和2年4月に告示されました。
運送会社は運賃料金設定変更届(運賃料金変更届)を出さなければいけないのでしょうか?
【結論】運賃設定額を新しくした場合は届出が必要です
運送会社ではタリフと呼ばれる運賃表を作成していると思います。
個々のお客様ごとに金額を設定している場合や、仕事内容によっては「常用運賃の設定」「時間での設定」「距離での設定」などそれぞれ自社内で苦労して考え出されたタリフがあるはずです。
この運賃表は基本的には届出をしている運賃をもとに設定をしている必要があります。
しかし、実務上は「届出をしている運賃」を意識せずに自社の運賃表を定めていることが多いのではないでしょうか。
令和2年4月に標準運賃の告示がされ、この運賃をもとに運賃・料金を変更していく場合には、貨物自動車運送事業法に基づいて、設定後30日以内にの届出等をしなければなりません。
運賃料金の変更届は事後の届出となります。
標準運賃の告示とは何なのか?
標準運賃の告示とは、簡単に説明をすると国が運賃料金の参考値を公表してくれていることになります。
これは平成11年に旧運輸省から告示がされてから約20年ぶりのことであり、国から発表されていることは大きな意味があります。
自由競争である現代では、国が民間の金額を決めることは出来ません。
しかし、基準運賃として公示してくれているおかげで、運送業はこの基準に向けて運賃を変更したり、運賃交渉用に基準運賃を作成することが出来るようになります。
外国では最低運賃が決まっている国もありますが、日本では運賃の上限も下限も定められてはいません。ただし、下請法や労基法などの関係法令に反していないことは前提です。
運賃を整理して検討しましょう
ここで運賃を整理していきます。
①標準運賃(令和2年4月に公示された運賃)
②届出運賃(運賃変更届により申請する運賃。基準運賃)
③自社運賃(お客様ごとに独自に作成している運賃)
※②届出運賃は届出上は【基準運賃】と呼ばれています。
今回公示された運賃は国交省のサイトから確認をすることが出来ます。
この①標準運賃はあくまで参考値です。
この参考値をもとに②届出運賃を検討します。
金額は全く同じとしても問題はありません。
②届出運賃は運賃料金適用方という「実際に運賃を適用する際のルール」も併せて作成をしていきます。
③自社運賃はお客様ごとに変更する場合もあるかもしれませんが、②届出運賃をもとに作成していきます。
標準運賃と届出運賃と自社運賃の開きはどうすればよいのか
①標準運賃はあくまで国交省からの参考値なので、②届出運賃とは全く違う金額になったとしても問題はありません。
しかし、②届出運賃と③自社運賃は、運賃料金適用方の運賃幅の範囲内にしておく必要があります。
運賃料金適用方は運賃を適用する際のルールなので、所有車種や貨物内容などがそれぞれ異なる運送会社では、自社で独自に作り込む必要があります。
この中の「運賃計算の方法」の項目内で「届出運賃の上下それぞれ〇〇%の範囲内で計算する」としたパーセンテージ内で自社タリフを作成します。
罰則や行政処分は?
仮に「届出をした運賃と運賃料金適用方」とは違う運賃を請求した場合は行政処分があるのでしょうか?
標準的な運賃は、運送事業者が法令を遵守して持続的に事業を運営する際の参考となる運賃を示すものであり、標準的な運賃と異なる運賃を収受したことのみをもって罰則が科されるなどペナルティを伴うものでない。
国土交通省
原時点では行政処分としてはないですが、ルールとしては運賃の変更届を提出し、届出をした運賃をもとに荷主さんとの取引条件を結んでいくことが必要です。
標準運賃の告示は、時限措置付きの貨物自動車運送事業法の改正とされており、期限は令和5年度末(2024年3月末)となっています。期限が過ぎた場合でも、標準運賃としてではなくオリジナル運賃として使用が出来るため、運賃料金変更届の提出が可能です。
注意点
運賃料金の変更届は、
- 標準運賃を使用する場合
- 標準運賃を使用しないで独自の運賃を使用する場合
があります。
せっかく標準運賃が国交省から公示されているので、金額を下げたものを使用せずに標準運賃を使用しても良いかもしれません。
しかし、申請の際に同時に提出する運賃料金適用方はそれぞれの運送会社ごとに作り込みをすることが必要です。
自社運賃と標準運賃との開きやそれぞれの所有している車種、取扱貨物などにより変更した方がよい項目が多くあるため、「変更届を提出して終わり」とならないようにすることが大切です。
運賃料金変更届の代理申請を致します
当事務所では運賃変更届の作成、そしてお客様ごとの標準運賃適用方のカスタマイズを承っております。
運賃変更届の提出にあたり、お客様の会社に合わせた内容をヒアリングさせて頂きます。
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