今年こそGマーク取得に取組むぞ!と考えられている運送会社さんは多いと思います。
しかし、このGマーク取得は面倒なことが多いのが実情です。
そして運送会社さんには時間がありません。
ここではGマーク取得にあたり、事前準備を簡潔に説明していきます。
Gマークを理解する前にとりあえず必要な準備
Gマークは「交通事故に対する対策をしっかり行っている会社である」ということをきちんと評価してもらうことで認定される制度です。
いまいち何から始めて良いか分からない、という運送会社さんでもまずは以下の準備をしてみてください。
・Gマークの申請時期の理解
・準備開始時期の理解
・去年度の申請案内冊子の取得
・事故防止対策マニュアルの購入
・全運転手の運転記録の取得
・一般診断の予約
Gマークの申請時期の理解
Gマークは毎年同じ時期に申請受付がされます。
毎年7月1日から14日までの2週間前後を受付期間としています。
基本的には持参して提出することが必要でしたが、近年では完全郵送対応となっている窓口もあります。
トラック協会に提出をすることになりますが、Gマークの申請はトラック協会に加入している必要はありません。
各地方ごとのトラック協会に提出しますが、事前相談が必須な地域もあるので、申請方法も含めて早めに確認してください。
準備開始時期の理解
Gマークの申請時期は7月です。
急いで書類を準備しようとした場合、その直前に2週間ぐらいで申請できるのでしょうか?
何とかしてくれませんか、とお電話を頂くこともありますが、基本的に直前では申請の準備が間に合いません。
運送会社さんの状況にもよりますが、申請日の約半年前となる1月ぐらいから準備をするのがお薦めです。
弊所にも申請日1ヶ月前ぐらいである6月ごろにご相談に来られる会社さんもおりますが、基本的には難しいことをお伝えしています。
去年申請してみたけどダメだった、途中まで準備したけど忙しくなった、などの事情がある場合には可能かもしれませんが、Gマークの申請書類は自社だけでなくいろいろな機関から取り寄せる必要があるため、物理的にも時間がかかる場合もあります。
運送会社さんが日常業務と平行してGマーク取得を進めるためには余裕を持って準備をするようにしてください。
去年度の申請案内冊子の取得
Gマークは毎年7月に申請時期となりますが、申請案内は毎年4月の終わりごろに発表されています。
今年の7月に申請するのに、数ヶ月前に出される申請案内を見てから内容を確認して書類を作成していくことはほぼ無理です。
なので、まずは去年度の申請案内冊子を手に入れることが必要です。
申請期限の2ヶ月程前にはネット上にも申請案内がありますが、申請時期を過ぎると見ることが出来なくなってしまいます。
近くのトラック協会などで取得をしておきましょう。
去年度の申請案内の内容で大丈夫なのか
基本的には毎年Gマークの申請案内冊子の中身は変わります。
ただし、加点項目や必要書類などが変わってきますが、大きな方向性は変わりません。
去年度の申請案内どおりに準備をしていれば、申請案内の内容が少し変わっても修正量はほんの少しです。
事故防止マニュアルの購入
これは弊所のお客様には必ず購入をしてもらっていますが、日本貨物運送協同組合連合会の「事業用トラックドライバー研修テキスト」を用意してもらっています。
トラ協会員であれば少し値引きをされて買うことができますが、8,000円ほどでしっかりと内容が章立てられている分かりやすいテキストなので、お手元に用意をするようにしてください。
運送会社の皆さんからすれば、当然のことが当然のように書いてあるので、買う必要がないと感じるかもしれません。
しかし、法改正や法解釈の変更なども網羅しており、中身は大変よく出来ています。
この冊子があることでGマークの加点要素になるばかりか、月例のミーティングや指導にも活用できます。
運送会社さんによっては運転手さんがいつでも見られる場所に置いている営業所もあります。
Gマークに関しては自社内独自の事故防止対策のマニュアルがある場合は、その独自マニュアルでも構いません。
自社にマニュアルなんて無い! という運送会社さんはまずは用意することをおすすめします。
全運転手の運転記録の取得
運転手さんの運転記録証明書は取っているでしょうか?
運転記録は運転手さんの入社時には必ず取得する必要がある書類です。
この運転記録ですが、取得をしておくだけでGマークの加点対象となります。
実際は「全運転手の3割で良い」のですが、このGマークの取得申請をタイミングとして全運転手さんの運転記録を取ってしまってください。
お客様にお願いしているのは「全運転手」の「5年間の運転記録」を取得してもらっています。
シートベルトや携帯電話など、会社側では分からないこともこの運転記録証明書で確認することが出来るので、日々の交通安全に対する一人ひとりの意識も判明します。
運転手さんは退職してしまったり、別の営業所に移動してしまうケースもあるかもしれませんので、早い段階から運転記録証明書を取得する場合には全運転手分を取得してしまうのがおすすめです。
トラック協会の会員さんの場合には、補助金が出る場合が多いです。
事務手続きはそれぞれの地域で違いますが、基本的にはトラック協会経由で取得手続きが出来るため、まずは最寄りのトラック協会もしくは警察署(自動車安全運転センター)に取得手続きの相談をしてください。
一般診断の予約
適性診断も運転手さんの入社時に必要な項目の一つです。
この適性診断は、NASVAやヤマト・スタッフ・サプライなどで受講することが出来ますが、
- 初任診断(初任運転者向け)
- 適齢診断(65歳以上向け)
- 特定診断(重大事故を起こした人向け)
- 一般診断
に分かれています。
Gマーク取得にあたっては、このうちの一般診断を全運転手さん(もしくは半数以上)が受けておくと良いでしょう。
3年以内に「初任診断」や「適齢診断」などを受診している人は一般診断を受けなくても大丈夫です。
Gマークの要件としては「全運転手の3割以上」が受けていればよいですが、こちらも運転手さんの異動や退職などがあるかもしれませんので、最低でも全運転手の半数以上は受けておいてください。
この一般診断はGマークの取得申請の直前ではすぐに予約が埋まってしまい、1ヶ月以内ではほぼ予約が取れません。
運転手の人数が多い営業所ではNASVA(自動車事故対策機構)の一般診断の機器レンタルサービスを利用するのもおすすめです。
こちらもかなり予約が早く埋まってしまうので、お近くのNASVAさんに早めに連絡をしてみてください。
※弊所ではGマーク取得予定のお客様、顧問先のお客様には適性診断の予約代行も無料でおこなっております。
Gマークを本当に取得したい会社様へ
Gマークはきちんと準備をして、しっかりと書類に残しておくことで必ず取得することができる制度です。
ポイントは事前準備をしっかりとすることです。
まずは上記の事前準備から始めてみて下さい。
※こちらでご紹介した内容は絶対に必要なわけではありませんので、会社さんによっては該当しないケースもあります。
当事務所ではGマーク取得支援、巡回指導対策支援をおこなっています。
運送会社さんの事情は1社ごとに大きく違います。
それぞれの運送会社さんに併せた柔軟な対応で、適切なご支援をさせて頂きます。
Gマークの取得をお考え場合は、お気兼ねなくご連絡ください。